泌尿器科について

泌尿器科とは、主に尿路及び男性の生殖器を主に扱う診療科です。

副腎、腎、尿管、膀胱、前立腺、尿道、精巣などの臓器が泌尿器科領域に該当します。

日本でも高齢化社会をむかえて、泌尿器科領域の悪性腫瘍に罹患する患者さんや、排尿異常(排尿困難、失禁など)を訴える患者さんは年々増加するばかりです。
泌尿器科の必要性はますます高くなっています。

前立腺癌は日本でも男性悪性腫瘍の上位を占めるようになり重要な疾患のひとつとなっています。
また、腎がんや膀胱がんなども増加の一途をたどっています。

<<前立腺癌>>
日本では1990年代から前立腺がんが増加傾向にあり、2020年には現在男性のがん罹患率トップである肺がんに次ぎ第2位になることが予測されています。前立腺癌を見つけるには、前立腺特異抗原(PSA)という腫瘍マーカーの測定が有用です。50歳になったら検診などでPSAをチェックし、異常があるようなら泌尿器科を受診して下さい。お父さんやご兄弟など血縁者に前立腺癌の方が居られる場合は40歳からのPSAチェックをお勧めします。また、PSAを測定していない場合でも、排尿に関する症状があるようなら泌尿器科を受診して下さい。
当院では精査が必要な方に原則一泊入院での前立腺生検を行っています。また、前立腺癌の方に対する治療として、手術(前立腺全摘除術)・ホルモン療法・抗癌剤治療などを行っています。

排尿の異常(尿が出にくい・尿が近い・尿が漏れるなど)
→前立腺肥大症(男性)・神経因性膀胱・過活動膀胱・腹圧性尿失禁
腎臓で作られた尿は膀胱に貯留し、その後排尿によって体外へ捨てられます。この排尿に伴う異常には、尿が出にくくなる排尿障害、尿を貯める能力が低下して尿が近くなる蓄尿障害、尿が漏れてしまう尿失禁などがあります。男女問わず排尿の異常は生活の質(QOL)を低下させ、特に排尿障害はしばしば膀胱に尿が多量に残るようになり(残尿と言います)、急に尿が出なくなったり(尿閉)、腎臓を悪くしたり(腎不全)、細菌感染を引き起こしたりします。排尿に関する自覚症状があるようなら泌尿器科を受診して下さい。当院では投薬治療の他、前立腺肥大症に対する経尿道的手術(TURisシステムを用いた内視鏡手術、TURis-PやTUEB)などを行っています。

<<膀胱癌>>
肉眼的血尿や遷延する排尿の異常を認めた場合は膀胱癌の可能性を念頭に置く必要があるため、必ず泌尿器科を受診して下さい。とりわけ40歳以上の方は注意が必要です。腹部超音波検査(エコー)や膀胱尿道ファイバーによる精密検査を考慮する必要があります。早期癌であれば内視鏡手術や膀胱内への抗癌剤またはBCG注入療法にてコントロールすることが出来ますが、進行すると膀胱全摘除術および尿路変更術や抗癌剤点滴治療が必要になる場合があります。
当院では膀胱癌に対する経尿道的手術(内視鏡手術)、膀胱内薬物注入療法、膀胱全摘除術および尿路変更術、抗癌剤点滴治療などを行っています。

<<腎尿管悪性腫瘍>>
腎癌、腎盂癌、尿管癌に対して開放手術での腎尿管悪性腫瘍手術を行っています。また、腎癌に対するインターフェロン療法や腎盂癌・尿管癌に対する抗癌剤治療も施行いたします。手術については、近年は開放手術よりも腹腔鏡手術が主流になりつつあり、そちらをご希望の場合は他施設を紹介させて頂きます。

<<尿路結石>>
腎結石・尿管結石・膀胱結石に対し、薬物療法・ESWL(体外衝撃波結石破砕術)・内視鏡下結石除去術を行っています。ESWLについては原則として入院は不要で外来中心の治療となりますが、内視鏡手術は入院が必要になります。

<<性機能障害>>
お体の状態に確認の上投薬を試みます。近年はバイアグラの後発品も出てきており、以前に比べると安価に治療することが可能になっています。